原稿、よみがえる
数奇な(?)運命をたどっている原稿がある。
もともとは約30年前に書かれた。韓国に行ったときの体験をメモしたものだ。
その体験は私には切実だったので、ぜひとも記録しておく必要があった。
その後、たぶん15年くらい前にメモをもとに書き加えてノンフクション的な体裁の文章を書いた。どこかの文学賞に応募するつもりだったらしい。
データはなくなってしまったが、たまたまプリンターで印刷したものがあって、苦労して入力しなおした。その後、データをまた見失ってしまい、印刷したものも見つからなくなった。
それから長い時間が経って、ついこのあいだ改めて家捜しをした結果、プリンタ出力を幸運にも発見することができた。それはドットマトリックスプリンタで打ち出したものだったが、今回はスキャンした上でOCRにかけ、それほどの手間をかけずにテキストファイルに戻すことができた。しっかりバックアップをとったからもうなくなることはないだろう。
ここまで30年かかっている。
なぜそこまでしたかといえば、文章のできはともかく、体験としては忘れられないものだからだ。
A4で25枚、原稿用紙換算で60枚程度でしかないが、ちょっとほっとした気分だ。
内容を読み返してみるとまず文体が古くさく、このままでは使えないという感じ。これだけの時間、ほったらかしになっていた原稿を生き返らせることが可能だとすれば、すぎていった時間を書くための梃子(てこ)にするということで、ちょっと興味が出てきたところだ。
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by hatano_naoki | 2009-10-12 07:20 | 日日
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