ハトヤマの読み方
普天間問題で首相が沖縄を訪問したことについての一連の報道をみていると、首相のやりかたのあまりのまずさに呆れるしかないけれども、それは首相本人の資質の問題である以上に、日本という国家の安全保障が危機的状況だということを示している。
ところで今度の普天間問題はある意味でなかなかすばらしい展開だと思っている。それはつまり沖縄が置かれている状況と沖縄の「民意」が連日報道された結果、まずは沖縄の基地問題に光が当てられてきたし、現在の日本が誰を仮想敵として国家の防衛を考えているのか、国家の安全保障はどうあるべきなのかというようなもろもろの本質的なことについて、根底からかんがえ直さざるをえないほどの混乱を露呈しているからだ。自民党政権下ではこういうことは露呈しなかったわけで、それをぶざまな(つまり生々しい)かたちで表に出したという功績で首相は後世に評価されるだろう。首相は普天間問題が困難であることを示したが、仮に彼がやめても他の誰も(野党もふくめて誰も)すばらしい解決を提示することができないこともあきらかになってきた。55年体制下の日本が自国の安全保障をあいまいにしてきたからこうなったわけで、「普天間」は普天間だけを解決しようとしてもできない類の問題だということがはっきりしてきたのは収穫だといえる。われわれは誰とどのように組み、誰から領土を防衛するべきなのかという根本的なことがすべてあいまいになっている。現代においては敵と味方は二元論では説明できないので、そこに政治と外交の熟練が要求されてくるわけだ。小国日本が生存するためには政治と外交のスキルが不可欠だという認識を持ったほうがいいんじゃないかというのが個人的な感想であるのだが。
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by hatano_naoki | 2010-05-05 18:37 | 日日
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