ダンディは作られる~ダンディズムについて・その4~
ダンディズムのアイドルというと、まずはやはり映画スターとか俳優とか、個人的な魅力を売る人々ということになるだろうが、財界の大物とか作家とか、基本的に風貌とかファッションを売り物にしない人たちもダンディズムのアイドルとなってもてはやされることがある白洲次郎はその代表的な人物だろう。
白洲次郎のような人物は映画スターと違ってその魅力に大衆が触れることはできなかった。その魅力を喧伝したのは要するに彼の周囲にいた文章の書ける人々やマスコミであり、彼らが白洲のアイドル化ないしは伝説化を進めたことになる。ではなぜそういうことが起こったのかといえば、白洲のアイドル化が商売になった(つまり本が売れる)ということだろう。
背が高くて容貌もよく、英国留学を通じていわゆる紳士としてのセンスと教養を身につけ、実業家であると同時に憂国の士で、GHQとの交渉にあたっては一歩も退かなかったという。いわば実在する時代のヒーローだった。赤穂浪士を語る講釈師のように白洲を賞賛する声があがるにつれて彼は伝説へと駆け上っていく。ダンディは自称するものではないから、他人の評価が重要なのだ。
こうして白洲的な生き方や趣味は模倣されるべきオリジナルの地位を得る。
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by hatano_naoki | 2005-12-07 23:02 | 日日
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