堀江メールは実在したか?
民主党の国会議員が予算委員会でメールのハードコピーを提示し、そのメールはホリエモンが自民党幹事長の次男に3,000万円送金するよう指示したものだと"暴露"した。
その後公開されたメールの送信者・受信者ほか何ヶ所かが黒く塗られていて分からないようになっていた。
それからすったもんだがあり、結局このメールはニセモノだということになり、民主党の議員が謝罪会見をするはめになっただけでなく、幹部の辞任にまで発展しそうな勢いである。
このてんやわんやの発端はメールのハードコピー1枚にすぎない。
今回のケースでいえば、ある電子データをプリンターで印刷して一部を黒く塗りつぶしたもの、あるいはプリンターで印刷してからそれをコピー機でコピーし、それから一部を塗りつぶしたもの、あるいはそれをさらにコピーしたもの(コピーした回数が複数回の場合もふくめて)のどれかが提示された。
当初は文体がホリエモンとは違うとか、使っているメイラーがホリエモンとは違うとか、メールにあるタイムスタンプから割り出すとその時刻にはホリエモンはメールを打てる状況にはなかったとか、ホリエモンは外ではパソコンは使わないとか、さまざまな指摘があり、このメールはどうも怪しいということになってきた。
黒塗りの部分に何が書かれていたかが議論になり、送信者と受信者が同じだという指摘があり、やはりこのメールは捏造されたもので"ガセ"だったということに落ち着いたようである。ガゼであれ、誰かがこのメールを自分あてに発信して受信した。それを印刷して一部を塗りつぶしたものが民主党の衆議院議員に渡った。

ところで、これまでの議論全体が、少なくとも送信されたメールが実在したという前提に立っているように見える。
しかし当たり前の話だが、電子データは作るのもいじるのも簡単だ。
たとえば、メールのヘッダーをふくむ全文はテキストエディターで書くことが可能だ。送受信したメールのヘッダーを書き換えたり、もちろん本文だって簡単に修正できる。
本当にホリエモンが送ったメールのヘッダーだけを書き換えることも、本文だけを自分のメールにコピーしてそれを自分あてにおくることも可能だ。
オリジナルの電子データがあったとしても、タイムスタンプをいじることもできる。
電子データとそこから生まれたハードコピーなどというものはすべてが夢幻の領域にある。

現時点では、ハードコピー上の送信者と受信者が同じだということがこのメールがガゼであると判断する根拠になっているようだが、以上の理屈からすると、本文がホリエモンが書いた本物である可能性を否定することはできないことになる。ホリエモンが書いたと言いたいわけではなく、にせものかもしれないし本物かもしれないということだ。
情報提供者あるいはその上流をたどれれば真実に迫れる可能性があるが、最終的な真実はおそらくライブドアのメールサーバーの中にしかなく、それはいまや検察の手中にある。捜査の最初の段階でメールサーバーを押さえた検察は実に問題の本質を見抜いていたわけだ。
爆弾男になりそこねた民主党議員の不思議な謝罪を見ながら不思議な気分になる。疑惑の科学的検証と、そこから明らかになる真実はどこにいったのか?

余計な話だが、爆弾男になりそこねた民主党議員のウェブサイトはこの件についてだんまりを決め込んでいるようである。
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by hatano_naoki | 2006-03-01 01:41 | ネットとデジモノ
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