結局、野口氏は自殺だったのか?
d0059961_0244386.jpg野口英昭エイチ・エス証券副社長の事件はどうなったのか。
2月末あたりを境にテレビが報道しないのはもちろん、週刊誌もすっかり忘れてしまったようだ。このまま皆が忘れてゆくということだろう。
あれは本当に自殺だったのだろうか。他殺だったにちがいないと疑っている人々は少なくないはずだが、誰も確たる証拠を持っているわけではない。いくらかの推理とカンで「おかしい」と言っているにすぎない。しかしカンを馬鹿にしてはいけない。間違っていることもあるが、間違っていないこともある。
野口氏の死に関しては、表に出てきている情報だけでも怪しいことが多すぎる。仮に自殺ではなかったとしたら、それは背後に何か大きくて黒い存在が潜んでいることを意味する。
私にはなにもできないが、疑問が氷解していない以上、忘れることはできない。
大型の企業犯罪にからんで犠牲者が出るのはめずらしいことではない。犯罪の重さが決して首謀者ではない者、巻き込まれた者を押しつぶし、気の小さい不運な犠牲者を生む。あるいは謎の死をもって情報を握る者を消し去ろうとする。こちらはボードゲームの論理だ。
そういった意味では野口氏の死は構造的によくある話であり、ありうる話だ。私をふくむ大衆はだからこそこの事件の背後に謎を感じ取っているに違いない。
事件の詳細な分析から彼の死が変だと思ったのではなく、彼が沖縄で死んだと聞いた時点で変だと思い、それから自分のカンが導く結論を補強するために情報を吟味した。こういうプロセスで彼の死を疑ったひとびとが他殺説を曲げていないに違いない。どうせ大衆にはディープな情報は提供されない。ならば彼らの武器は経験則と憶測でしかないではないか。
その先はメディアの仕事である。ところが彼らが動かない。あるいは飽きっぽい。
私にはなにもできないが、忘れることはできない。

(写真:事件のあった那覇のカプセルホテル)
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by hatano_naoki | 2006-04-16 18:28 | 日日
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