スコット・クロスフィールドの死
d0059961_19272190.jpgジョージア州アトランタ近郊で自家用機が墜落事故を起こし、スコット・クロスフィールドという老人が死んだ。84歳だった。
実は彼は1953年にダグラス製の「D-558-2 スカイロケット」に乗って世界で初めてマッハ2のスピードでの飛行に成功したテストパイロットだった。ちなみにマッハ1とマッハ2はロケット機によって達成されている。
それから53年後、かつてトップクラスのパイロットであったひとりの老人が単独飛行中に雷雨に遭遇し、やがて小さな機体は嵐に翻弄されたあげく山の中に落ちてゆく。
彼の脳裏を去来する無数の空の記憶・・・

"THE RIGHT STAFF"という映画がある(フィリップ・カウフマン監督、1983年作品)。トム・ウルフの原作を映画化したこの作品をいったい何度見たかわからない。
この映画にスコット・クロスフィールドが登場する。
主人公のチャック・イェーガー(サム・シェパードが演じている)は世界ではじめてマッハ1を越えた人物だが、彼のライバルとして描かれているのがスコット・クロスフィールドである。

"THE RIGHT STAFF"は最高水準の飛行技術と勇気とを持つ男たちの闘争と協力の物語で、英雄物語であり、目で見る飛行機の歴史であり、ひとつの時代の記憶でもある。
この映画を見た人間なら誰でもそうだろうが、では私自身はどんな"THE RIGHT STAFF"(正しい資質)を持っているのだろうか?と自問したものだった。他人には決して語らないが持っている者同士はお互いに認め合うことができる"正しい資質"。選ばれた者の共有する暗黙の矜持といってもいいだろう。

NASAのサイトでは老パイロットの死を悼むページができている。

CNNの記事

(写真:ダグラスD-558-2に乗るスコット・クロスフィールド、1953年9月。NASAアーカイブより。)
[PR]
by hatano_naoki | 2006-04-24 19:16 | 日日
<< 「カンボジア・ノート」(仮題)... 沖縄勉強ノート(71)古琉球と... >>