『アンコール遺跡を楽しむ』改訂版を書く(3)
テキストの部分についてはだいぶ整理が進んできた。進捗率は70パーセントくらい。
テキストがかたまったら写真を選びなおし、地図と遺跡の略図を書く。読書案内もあったら便利だろう。私のウェブサイトについても詳しく紹介したほうがいいかもしれない。
地図と遺跡の略図を書くのにかなりの手間がかかりそうだ。
アンコール遺跡のキーワードについての短いコラムを30本くらい書くのもいいかなと思う。
テキストを手直ししていて気がつくのは、この三、四年のあいだにアンコールとカンボジアに大きな変化が起きているということだ。治安が劇的に改善された。道路が良くなった。遺跡周辺での地雷除去が進んだ。そして観光客が激増した。
前の本では「カンボジアは危険だから気をつけるべきだ」と書いた。今回、危険についての記述はほとんど消えるだろう。
これはつまりツーリズムの勝利ということだ。ツーリズムは金を落とす。ツーリズムを促すものは強化され、さまたげるものは排除される。ツーリズムが人々の生活を潤しはじめたのは事実だが、それ以上にさまざまな負の側面が顕在化してきている。金は金持ちに集まり、彼らをもっと豊かにする。彼らは金儲けのためならなんでもやってしまう。貧乏人は呆然と立ち尽くすだけだ。そしてもっと貧乏になる。
次の本は普通のガイドブックに近づくだろう。カンボジアから冒険は失われた。今は誰でもどこにでも行ける。カンボジアの観光化はこれからとことん進むだろう。資源を食い尽くすまで、だ。無残な感じがする。
そういう状況を映して本から熱は失われるに違いない。
しかしそれも時代の変化というものなのだろう。無残な変化というものは世界のあちこちでいくらでも起こったし、これからも起こるだろう。状況が愚かで残酷だとしたら、それは現代に生きる私たちが愚かで残酷だということを意味するに過ぎない。
こう書きながら、私はこれからカンボジアという対象とどんな関わりを持っていくのだろうかと考えている。
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by hatano_naoki | 2007-03-13 20:01 | 日日
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