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沖縄勉強ノート(118)徒歩旅行の誘惑
沖縄の旅にはいろいろのスタイルが考えられるが、徒歩旅行は一番実行したいもののひとつだ。
基本的に歩くことが好きだ。パリに滞在したときには毎日十キロ二十キロくらいは平気で歩いていたし、その他のヨーロッパの諸都市も、バンコク、マドラス、その他のアジアの多くの都市も、京都、百舌鳥付近の古墳群、横浜、神戸、その他多くの日本の都市も、そしてもちろん東京も、どれくらい歩き回ったかわからない。
歩くことは考えることでもある。ランナーズハイということでもないが、歩くリズムには思考を刺激するものがある。
沖縄に関していえば、いくつかイメージしている徒歩コースがある。
首里から浮島・天使館までのルートは、少なくとも崇元寺跡を経て美栄橋までは、様変わりしているにせよ、ある程度たどることが可能だ。美栄橋からチンマーサーを経て天子館までは(戦後の道路網の一新によって)たどることはほとんど不可能だが、ポイントをつなぐような歩き方はできないことはない。このルートは琉球王国時代に冊封使が歩き、また輸入された物資が運ばれた道筋である。この道を歩く意味は、その距離、途中の景観(特に遠望)、高低差を体感できるところにある。そしてまた当時の海岸線をイメージしながら歩けば、その徒歩旅行は王府の時代の浮島を幻視することになるだろう。
沖縄戦当時の戦線の推移をたどる徒歩での旅も試みてみたい。
首里から津嘉山、東風平、富盛、八重嶽を経て沖縄島南端の摩文仁、米須、喜屋武、真壁といった村々を歩くルートや、読谷の海岸から嘉数高地、前田高地といった激戦地を経て首里城(つまり三十二軍司令部)までのルートが考えられる。
これは明確なルートではないが、首里・那覇あるいはその周辺のウタキ、ガーを見て歩くのもいい。それもなるべくたくさん。数を見るということは、そこからある本質を発見できる可能性があると思う。
あるいは現代の那覇の歓楽街、市場、普通の住宅地を歩くのも面白い。
長い距離を歩くには一定の技術(?)が要る。私は自分では徒歩旅行に関して一定のノウハウを持っていると思っていて、歩くことに執着があるし喜びでもある。
沖縄徒歩旅行のイメージをもう少しふくらませてみよう。
by hatano_naoki | 2007-05-13 18:18 | 沖縄勉強ノート
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