CSF(Cultural Studies Forum)例会
d0059961_6543265.jpgきのう、CSF(Cultural Studies Forum)の5月例会に参加した。総合テーマは「グローバル化時代のワールド・ミュージックとメディア」。
スピーカーとテーマは次のとおり。
1)平尾吉直(首都大学東京)「ジンバブエ都市ポピュラー音楽とコミュニティ」
2)笹川秀夫(立命館アジア太平洋大学)「タイとカンボジアのポピュラー音楽にみるグローバル化と反グローバル化」
3)佐藤英孝(放送局勤務)「ルーツミュージックの日本における需要と受容」
参加者は主催者、スピーカーもあわせて14、5名だった。
この日の趣旨については告知に次のように書かれていた。
「1980年代末の「ワールドミュージック」ブームは冷戦期最後を飾る「第三世界」からの、または「第三世界」を搾取する、ポピュラー音楽産業の一つの動向であった。1950年代以降に次々と欧米宗主国から独立していったアフリカやアジアの音楽にはしたがってナショナリズムの高揚が波打っていたことは想像できる。1990年代以降の日本において沖縄の音楽が脚光を浴び始めるのはまた別の文脈であって、つまり冷戦以降の、グローバル化時代の幕開けという側面をもっているはずである。今ワークショップでは現在の東南アジアのポップス、アフリカのポップス、それに日本のポピュラー音楽の現況報告を通し、冷戦時代のワールド・ミュージックの総括を含めたワールド・ミュージックの現在を考える場としたい。その際冷戦期/グローバル化時代のワールドミュージックを語る上で、進化していくメディアを巡る政治経済体制の変化が、美学上の「趣味」の問題とともに鍵となるはずである」

会場は武蔵大学だった。学生の姿がほとんどみえないこともあるが静かで落ち着いた大学だと感じた。カルチュラルスタディーズなる領域にについてはほとんどなにもしらないといっていい。多田治氏の『沖縄イメージの誕生』を読んだとき、はじめてカルチュラルスタディーズなることばを知ったのだと思う。この集まりの趣旨も実態もなにも知らないままに、笹川さんから情報を得て、いわば飛び入りで参加したのだった。
小さな集まりにふさわしく、参加者はその日のテーマに関心の深い人ばかりのようで、私などは場違いな存在だったが、それでもこれまでまったく興味がなく知識もない分野について話を聴くのはなかなか刺激があった。まったく知らない分野の話を聴くとき、頭の中は忙しい。聴きながら情報をあわただしく(粗く)咀嚼してなんとか一定の理解の受け皿を用意しなければならないからだ。これがないとよくわからない語彙と表現が目の前を素通りするだけで終わってしまうだろう。しかしその分野に深い興味がない場合、情報の摂取と咀嚼にめりはりをつける必要もありそうだ。専門的な話というものはときとして必要以上に深くまで下りてゆくが、そこまでついていく必要はない。私にとってはいわば文脈をたどれれば十分だ。その話からひとつでもはっとする発見や刺激があれば、その時間は有益だったと感じられる。
音楽をあまり聴かないで育った私にとってこの分野は"暗黒大陸"だが、たとえばこれまで聴いたことのないジンバブエの音楽の状況についての話を聴き、いくつかを試聴してみて、新鮮な空気を感じたのはたしかだ。"異種格闘技"はなかなかいいものだ。
[PR]
by hatano_naoki | 2007-05-27 15:49 | 日日
<< GR Digital (18)... 青い家 >>