クメール舞踊をテーマとする写真集を作りたいという思いつきに、クメール伝統舞踊家の山中ひとみさんとアマチュアながら相当の腕がある(と私が見込んでいる)Tさんが賛同してくれて"写真集プロジェクト"がはじまってから数ヶ月がすぎた。
明日は二回目の撮影で、すこし時間をかけて作業を進めるつもりだ。 舞踊の写真集というと舞台で踊っている様子を撮影するケースが多いと思われるが、もちろんそのような写真は必要であるにせよ、誤解を恐れずにいうなら「静物としての舞踊」という要素を盛り込んでみたいと当初から考えている。人体のかたちを重視したストイックな写真のあつまりのイメージ。 その具体的な表れのひとつとして、クメール舞踊で特徴的な指先や足先の動き、かたちを凝視するように映像化することを考えている。こういう特定の部分を決して明るくない舞台でクローズアップで撮るのはむずかしいはずで、スタジオでの撮影にならざるをえない。 先日のテスト撮影では、いくつかの問題はあったものの、撮影の結果は基本的なイメージから逸脱していないように思われた。 明日は前回同様にスタジオ(実際には貸しスタジオではなく、カンボジア勉強会の常連のIさんの好意で用意してもらったスペース)で部分の撮影を進めるとともに、全身の撮影も行うことになるだろう。 全身の撮影というのは、自然な動きを定着させるのはおそらくかなりむずかしい。ひとつの手法としては明治期の肖像写真のように動きを失った人物写真として撮るやりかたがあるかもしれない。いずれにせよ、明日の撮影結果からその先が見えてくるだろう。
by hatano_naoki
| 2007-06-02 08:51
| カンボジア
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