あるとき、あるひとと
あるとき、あるひとと、ある約束をした。
それは二十一世紀になった年のある日に、ある場所で会うという約束だった。
時が経ち、二十一世紀が訪れてから少しして私がその約束を思い出したとき、約束の日は過ぎていた。
時代はひととひととの出会い方と別れ方を規定する。携帯電話と電子メールが過剰で希薄なコミュニケーションをつかさどる今、こんな約束のしかたなどもう存在しないに違いない。時代はますます「途絶えない消息の時代」へと変貌しつつある。通信ネットワークの張り巡らされた社会では別れは基本的にありえない。電子の網にからめとられた私たちはまるで死ぬことのできない苦しさを味わう不老不死のひとのようだ。
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by hatano_naoki | 2007-07-14 23:40 | ネットとデジモノ
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