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心が折れる
現役最後の試合を終えた古田が「心が折れる」ということばを使っていた。最近よく聞くが、私自身は使わない。
googleでは46,000件がヒットする。「めげる」が177,000件、「くじける」が118,000件だから、あなどれない普及率だ。
いつどこで生まれたかは定かでないが、ネットで検索した結果からは格闘技の世界で発生したという説が見受けられた。いずれにしても新しいことばであって、ここ十年くらいの間に生まれて普及したらしく、『広辞苑』には載っていない。
心が折れる。心という深遠なことばと折れるという直截な表現が組み合わされてちょっと面白い語感だ。あまりデリケートな表現ではなく、深みもなく、雑駁に思えるし、このことばが伝えたいであろうものと比べて聞こえ方がちょっとユーモラスで、かなり視覚的なのだ。複雑な状況を単純化して伝えているような気もする。
ことばのすべてに深いニュアンスが必要なわけもなく、使われる場面によって取捨選択されるのであれば、この新顔にもそれなりの役割があるのだろう。もちろんこれは私の受け止め方であって、世間がどう思い受け止めているかはわからない。
by hatano_naoki | 2007-10-08 09:50 | 日日
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