イー・モバイルのS11HT(3)
S11HTの本家であるTyTN IIは、ちょっと前までは日本語化されていない輸入品で10万前後だった。そのことを考えれば2年しばりとはいえ当初2万円ほどで手に入るのは大変なバーゲンだといえるだろう(実際には5万円ないし7万円だが分割払いをするわけだ)。しかしこの価格が安いかどうかを考える前に、しばらく楽しめそうなおもちゃを見つけてしまったというのが正直な感想だ。
これまでZAURUSとかPalmとかCLIEとかChip Cardとか相当数の小さなデジタル・ガジェットを使ってきたが、わたしにとってのPDA的製品というのは夢を買う商品でありつづけていた。もちろんそれなりに実用性があり、役に立つ場面もあったけれども、結局のところなくともよかった。それにもかかわらずいつの時代にも高価なPDAを買いつづける理由は、手の中のデジタル宇宙ともいうべき凝縮感やデジタルおもちゃ的な楽しさを感じるからに他ならない。
いじること自体、いじっている時間そのもの、じぶんとPDAとの関係、それらの一部がデジタルの夢の領域と重なり合っている。
Windows Mobileという環境には特に興味はない。Palmのシンプルさのほうが好ましいが、いまや選択肢はWindows Mobileしかないという雰囲気だ。
ちいさなデジタル・ガジェットの夢は、さかのぼれば昔読んだSFに登場する小さな機械のイメージに帰着する。たとえば図書館の蔵書くらいの本のデータを内蔵した小さな機械が、無人の惑星に取り残された主人公に小説を読み聞かせる・・・。
ただ、30年近くデジタルとPCの世界を見てきて、いつの頃からかその高性能化・高機能化にもかかわらず、根本的にはわたしたちは同じ場所にとどまっているのではないかという疑いを抱くようになった。CPUが飛躍的に高性能化し、メモリが増え、ソフトウエアの機能が豊かになっても、それは結局のところ変容にすぎないのではないか?進歩と進化の夢はいつのまにか消えていた。そういう目で見るデジタル・ガジェットは底抜けに楽しいおもちゃではなく、いくらか複雑なニュアンスを漂わせている。
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by hatano_naoki | 2008-03-14 12:45 | ネットとデジモノ
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