カンボジア市民フォーラム・上智大学アジア文化研究所共催の『カンボジア連続セミナー第一回』を聴きにいった。スピーカーは丸井雅子さんでテーマは『アンコールで暮らす人々』。
聴いていて面白いと思ったのは、丸井さんはそう指摘していたわけではないが、いわゆるアンコール遺跡の「遺跡化」がフランスによって進められたということ。フランスが1920年頃までに遺跡に住んでいた僧侶を排除したのは遺跡を純粋に遺跡化するためだったと考えられるし、それは当時のフランスが思い描いたアンコール遺跡の物語を具現化するためだったということでもある。 それにしてもカンボジアを考えるとき改めてかの地における不正義の蔓延に暗くなってしまう。これこそがカンボジアの病根で、それはまったく癒しがたい病ではあるが、一方で世界には救いがたい腐敗がいくらもあって、それらに比べればカンボジアはまだマシであり、われわれがイメージする民主主義が実現されていないとしても、少なくとも多くの国民が不当な死に追いやられるほどの事態ではないという中途半端な居心地の悪さがある。
by hatano_naoki
| 2009-04-22 22:53
| カンボジア
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hatanonaoki@gmail.com website: アンコール遺跡群 フォトギャラリー Twitter: hatanonaoki [最新刊] 詳細 『アンコール文明への旅』 『キリングフィールドへの旅』 カテゴリ
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