<   2006年 09月 ( 13 )   > この月の画像一覧
表参道ヒルズ
d0059961_21361669.jpgd0059961_21363744.jpg
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-28 23:36 | 写真日記
神保町「さぼうる」
d0059961_17282846.jpg朝5時から自宅で「キリングフィールドへの旅」の校正の最終段階。最後の部分がどうにもまとまらず、時間ばかりがすぎてゆく。昼前になんとかまとめ、差し替えデータをCDに焼いて一息ついた。
昼をすこしすぎてから外出。高田馬場の「ちゃんぷるー亭」で三枚肉そばを食べる。三枚肉、おいしい。麺うまい。スープいまいち。最近はどうも沖縄そばにはまりぎみである。下北沢の「丸安そば」の沖縄そばはいまいちだった。大塚の「沖縄そば」の長寿そば(ソーキ、三枚肉、てびち入り)はなかなかのおいしさ。とくにてびち。麺はいまいち。まだようやくてびちのおいしさが分かってきたくらいの段階だが、沖縄に行ってそばの食べ歩きをしたくなった。
地下鉄で神保町へ。「さぼうる」の薄暗がりの中でコーヒーを飲みながら「夏の闇」(開高健)の数ページを読む。暗いのには閉口するが不思議に落ち着く空間。開店は昭和30年だという。「さぼうる」には昔から入ってみたかったのだが、これまで機会がなかった。この界隈は徘徊する価値がある。
午後2時すぎ、編集者と打ち合わせ。赤を入れた「キリングフィールドへの旅」を渡し、田辺聖子のエッセイ集「死なないで」についてひとしきりおしゃべり。1980年代前半という時代の雰囲気について話がはずんだ。もう一冊の「アンコール文明への旅」のゲラはちょっとおくれそうな感じ。
打ち合わせは30分ほどで終わり、水道橋に出て新宿経由で帰宅。
校正をしているといつも「これでいいのだろうか」といういいようのない不安に襲われる。本の内容、表現、事実に関する不安。間違いを書いてはいないだろうか、内容は大丈夫だろうかという心配が何度も浮かんできて、なかなかあきらめきれない。悪あがきしている。
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-27 17:23 | 日日
初校
「キリング・フィールドへの旅」(これに決めた)のほうのゲラが出てきた。
校正と多少の加筆・修正はのべ1日で終わりそうだ。
この原稿は、まず本文を書き、ページ構成を決め、それから注釈を書き、それを各ページに配置するという手順で進めている。注釈は巻末あるいは章末に置くのではなく、各ページの下に置くことにし、見開き2ページの内容に対応する注釈が下に来るようにした。本文と注釈との関係が見開き2ページで完結しているわけだ。こうすると注釈が読みやすくなるが、ページ構成が決まらないと注釈の長さが決められない。
こういう面倒なことをしたのは、書いている途中で注釈のある本にしたいと思い、さらに本文の下に注釈のある本にしたいと思ったからだ。注釈の性質はいってみればウンチクや脱線であって、論文の文献などとはずいぶん違っている。注釈のふりをしていても本文の一部である場合もある。本文と注釈をあわせて本文だといってもいいだろう。
こういう遊びが許されるのは幸せだ。
続いて「アンコール文明への旅」のゲラも出てくるはずだが、こちらはちょっと苦労するかもしれない。ある程度専門的な領域に首を突っ込んでいるきらいがあり、その結果いい加減なことは書けないのだが、こちらの知識とその基盤が弱いという致命的な欠陥を持っている。そういう内容をもふくめて一般の読者に読みやすい本にしたいと思ってはいるのだが。
いずれにせよ、おそらく11月の末までには本ができあがるような状況だ。
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-23 07:51 | カンボジア
タイのクーデター
タイでは経済発展によってクーデターの時代は終わったという気がしていたが、タイ式の現状打開システムは健在だったようだ。
昨夜、陸軍が政府施設や放送局など首都の主要機能を掌握したという。実に15年ぶりのクーデターだそうだ。ちなみにタイは過去74年間に17回のクーデターが起こり、軍事政権による支配は合計で46年に及ぶ。
現時点では事態がどう推移するかは不明だが、国王の掌の上にある「子」としての権力同士の争い(しかも一方はいわば正義を標榜し、国王のしもべ、国民の保護者としてふるまう)という構造は過去のクーデターと違っていないように見える。
こういうしくみはいわばアジア的ともいえるが、特にタイにおいて高度な発達を遂げた。しくみとして洗練されているが、実際には現国王の個人的資質と信望に大きく依存しているのだと思う。つまり能力のない国王のもとでは、このしくみは単なる政争の具となる恐れがある。
タイの現代政治と統治システムに深入りする余力はないけれどもなかなか面白そうだ。
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-20 06:38 | 日日
極私的ケータイキラーアプリ
他人はどうか知らないが、私個人にとってケイタイ(といってもWillcomのPHSだが)の"キラーアプリ"はgoogleと国会図書館の検索システムNDL-OPACのふたつだ。
私が使っているのはどちらもケイタイ専用のサービスではなく、WillcomのPHSからOperaブラウザでPC用のサイトを見ているのだが、いずれにせよ移動中にでもこれらのサービスが使えるのは究極的に快適だ。
なにかを調べたいと思いついたとき、その場である程度の知識が得られるかどうかは、「知の瞬発力」の差になる。googleはいまや「検索エンジン」ではなく今日的な知の羅針盤のようなものだし、日本で出版された書籍の全てを所蔵するはずの国会図書館は自分の「蔵書」を極限にまで拡大してくれる。それらをケイタイの小さな画面で操作するとき、すごい時代になったと実感する。
googleは携帯向けにもサービスを提供しているが、個人的な意見としてはケイタイには独立した"Googleボタン"があってもいい。
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-14 22:35 | ネットとデジモノ
Landmine Monitor Report 2006
d0059961_712788.jpgJCBL(地雷廃絶日本キャンペーン)による"Landmine Monitor Rreport 2006"の発表会があった。
1,000ページ以上もある英文の分厚い報告書は民間団体であるICBL(International Campaign to Ban Landmines)が自力で情報収集した世界の地雷の現況を毎年レポートしているもので、CD-ROM版も存在する。
これだけの資料を読むのは骨が折れるが、発表会では内容について主な注目点を解説してくれたので助かった。
ここではJCBLの了解を得て、その席で配布された資料の一部を紹介する。
なお、各項目の冒頭にある○と×は、○がプラス評価、×がマイナス評価を表す。



「ランドマイン・モニター報告2006」~2006年の主な注目点

○対人地雷の使用を拒否する動きの国際的な広まり
 2006年7月1日現在、オタワ条約締約国は151カ国。
○対人地雷廃絶の目標に向けた支援の広がり
○非国家武装主体による対人地雷禁止への関与
 ポリサリオ戦線(西サハラ)、クルド労働者党が「対人地雷の全面禁止および地雷除去・地雷回避教育等に関する合意文書」に署名。
×普遍化への取り組み
 40ヵ国がオタワ条約に参加していない。
○締約国、署名国による地雷の使用はない
×3カ国が地雷を使用
 少なくともビルマ/ミャンマー、ネパール、ロシアの3カ国が地雷を使用した。特にビルマ/ミャンマーでは大規模に使われている。
×非国家武装主体による地雷の使用
 非国家武装主体による地雷の使用は減少傾向にある。
×地雷生産国は13カ国
 ビルマ/ミャンマー、中国、キューバ、インド、イラン、北朝鮮、韓国、ネパール、パキスタン、ロシア、シンガポール、米国、ベトナムが地雷を生産している(この中の何カ国かは地雷を生産していないが生産する権利を留保している)。
○事実上の地雷輸出入の禁止
×エリトリア政府がソマリアの非国家武装主体に対人地雷を委譲
○数百万個の貯蔵地雷が破壊された
 この報告期間中に4つの締約国(ギニアビザウ、ナイジェリア、アルジェリア、コンゴ民主共和国)が貯蔵地雷の廃棄を完了した。これまでに貯蔵地雷の廃棄を完了したのは74ヶ国、締約国で廃棄すべき地雷を保有しているのは13カ国。締約国がこれまでに破壊した貯蔵地雷は累計3,950万個以上。
×非締約国が貯蔵している地雷
 1億6000万個を超える地雷が非締約国により貯蔵されている。その大部分を貯蔵しているのは中国(1億1000万個)、ロシア(2650万個)、アメリカ(1040万個)、パキスタン(600万個)、インド(400~500万個)の5カ国。
×多すぎる訓練用の保有地雷、少ない説明
○訓練・研究用保有地雷の数の減少
○最初の透明性報告書の提出率は高い
×2回目以降の透明性報告書の提出が遅い
○条文の「解釈」と「実施」の諸問題について、自らの見解を述べる締約国が増加
○地雷被害を受けている国の減少
 ICBLの見解ではなんらかのかたちで地雷被害を受けているのは78カ国。
○地雷除去の効率性の向上
 2005年に740平方キロメートル以上の面積の地雷除去がおわった。
×条約5条の地雷の除去期限を守れない見込みの締結国が多い
○地雷回避教育の拡大
 28カ国で新しく地雷回避教育が開始された。
×地雷およびERWによる死傷者の増加
 報告されている死傷者数は2005年には7,328人。
×ERWのみによる死傷者数の増加
×地雷被害を受けた生存者(survivor)と犠牲者(victim)の増加
 現在全世界で約35万~40万、または50万人の生存者が存在していると推定される。
○地雷被害を受けた生存者支援への注目が拡大
○意義ある2005年の地雷対策活動への支援額
 地雷対策活動への2005年の資金援助は3億7600万ドル。ドナーは1位が米国(8100万ドル)、次いで欧州委員会(5150万ドル)、日本(3930万ドル)、ノルウェー(3650万ドル)。
×対前年では減少
○地雷対策支援金の受け取り国
 主要国はアフガニスタン(6680万ドル)、スーダン(4840万ドル)、アンゴラ(3580万ドル)、イラク(2780万ドル)、カンボジア(2390万ドル)。
×地雷被害国に対する支援の減少
×資金不足の影響を受けた地雷対策計画
×地雷被害者支援に対する資金の不足
○地雷被害国による地雷対策活動費の拠出

非国家武装主体(NSAG):反政府武装グループ
ERW:爆発性戦争残存物。不発弾など
(注)調査対象期間は2005年5月から2006年5月まで。



これだけの報告書が民間団体の力で毎年出されるのはすごいことだ。また地雷廃絶という枠組み自体が民間の努力に多くを負っているということも注目すべき点だ。これはジェノサイド条約が成立するまでのプロセスを想起させる。

写真:Landmine Monitor Rreport 2006表紙。(c)International Campaign to Ban Landmines
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-14 06:53 | カンボジア
蒼井優のこと
d0059961_17585464.jpg女優・蒼井優が気になる。まだ21歳でしかない彼女のかもし出す雰囲気、特にその「間(ま)」の余韻がすばらしく感じられる。
本名は夏井優。1985年8月17日福岡県生まれ、血液型はA型、身長160cmだそうだ。1999年、ミュージカル「アニー」のオーディションで1万人の中から選ばれてデビューした。
私は 「ニライカナイからの手紙」しか見ていない。いまさら彼女の全作品を見るところまでのめりこむのは気恥ずかしく、なにかの偶然で見たら出ていたという程度でいいのだ。 「ニライカナイからの手紙」も沖縄が舞台だというのが一番の理由だったが、蒼井優を見たかったことも否定はできない。
特に美人というわけではなく、引きこまれそうな魅力というほどでもないが、その生に今述べたように余韻と間が感じられ、さらに静けさ、陰影、悲しみ、追憶、そして時間そのものが彼女の内部に存在しているように見える。学校の勉強がどれくらいできるのかはわからないが、長く生きずして人生を知る(予知する)能力を備えている種族に属している。
先日のテレビ番組「情熱大陸」を半分だけ見た感想では(彼女を8ヶ月にわたって追ったドキュメンタリーだったらしい)、彼女は演技の方法(論)に関しては言葉にして表現することもできるほど理解しているようであり、また専門的であるようだ。主演は意外にも少ないが、その演技力と存在感が主役の座から彼女を遠ざけているのかもしれない。

このインタビューはまったくうらやましい。
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-12 18:28 | 日日
朦朧たる日々
気がつくと朦朧とした意識で考えるでもなく考えていることがある。なにを考えているかといえば、必ず「次は何をどのように書こうか」ということだ。
「カンボジア紀行」(まだ仮題)はいわば出来高払いの成り行き任せで書いたが、そのつらさが身にしみている。"次回作"はきちんとイメージを固め、いろいろ準備もしてから書き始めたいと決心しているわけだ。
いい内容の、おもしろい本を書くこと。3年も(!)かけないで、(資料収集や下調べは別にして)すばやく書くこと。
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-10 17:45 | 日日
伝説の手帳
d0059961_945063.jpg伝説的な手帳、MOLESKINEを買ってみた。
もっともポピュラーな小型・横罫・黒表紙の製品である。
ひとことでいって、たいしたものではない。工作精度は高いとはいえず、中紙には汚れのあるところもある。雑なつくりだ。ただ、その雑な感じは手作り感を醸し出すし(どの程度手作りなのかはわからない)、雰囲気としては悪くない。ポイントは無骨な硬い表紙にある。手に持ち、あるいはひざの上で書くことができる。旅に持って出て旅日記を書く手帳としては最適だろう。手帳の厚さが「長い旅に出なさい」と言っている。
MOLESKINEはおそらくフランスの小さな紙製品製造業だったのだろうが1980年代に企業としては立ち行かなくなって消え(製品の仕様をみればそれも納得できる)、今はイタリアの会社が作って販売している。いわば復刻だ。新しい会社は古めかしい製品に伝説という付加価値をつけて売り出した。いわくピカソが使った、ゴッホが使った、という具合に歴史上の人物が使ったことをうたい文句にしている。
考えてみると日本では手帳はやわらかい表紙のものが一般的であり、硬い表紙の手帳はほとんど見かけない。ポケットに入れにくいからだろう。MOLESKINEの表紙がやわらかかったなら、私は買うことはなかったに違いない。

写真:André BretonのMOLESKINE(1916)。左ページには Max Ernstの書いた蔵書票がある。
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-10 08:55 | 日日
沖縄勉強ノート(82)沖縄イメージのこと
現在一般的になっている沖縄のイメージがどのように生まれてきたのかということは、私の最近の関心事のひとつだ。
つまり現在流布している沖縄のイメージは作り物であるということ。
こうした作り物が作られてきたプロセスについては、日本復帰、観光開発、海洋博といったキーワードが浮かんでくる。シーサーも沖縄ソバもエイサーもなにもかも、みんな観光資本の陰謀だというわけだ。それは冗談だが、沖縄イメージの形成を考えるにあたっては、沖縄開発がモデルとしたというアメリカ本土におけるハワイイメージの形成過程(=ハワイが州に昇格した頃のアメリカにおけるハワイ観光ブームの正体)をある程度知らなければならないだろう。
復帰以降の沖縄イメージ形成の経過に関してはある程度専門的な論考が蓄積されつつあるはずだが、そのごく一部(たとえば多田治氏の本)を読んだ印象としては、あまりにもきれいによどみなく説明しすぎている気がしないでもない。逆に疑いを抱いてしまう。
ところで沖縄イメージの操作は戦後の本土復帰をきっかけにはじまったわけではなく、おそらく島津による支配が始まった時点で最初の沖縄イメージの操作がはじまったのではないかと思う。それは沖縄が独立した王国であり、独自の立派な文化を持っているということ、その文化はかなり異国的だということを強調するところから始まり、そういう「王国」を島津は臣下としたということから島津の力を誇示することに帰結する。
(こういうことを考えていると、アンコール文明を持ち上げたフランス植民地主義を思い出す)
第二次大戦末期および戦後の沖縄では米軍による意図的な沖縄県民のセルフイメージ形成が行われた。被害者史観の強化や日本人との違いの強調など。これは日本からの離反を目的としたものだった(大田昌秀氏)。
脱線になるが、沖縄における古い信仰の姿は琉球王府によって大きく変質した。もともとは村と自分の家族とを守るにすぎなかった素朴な信仰が国家を護持するという目的に奉仕するよう体系づけられてゆく。ただし沖縄の場合は地域の信仰が国家によって踏み潰されるような事態にはならず、一定の融合あるいは読み替えがあって旧来の信仰の姿も持続できたようだ。

そこで、では本当の沖縄とはなにか、という問いがある。
この問い自体が曖昧模糊としているが、別の表現をするなら、外部の力(政治権力、観光資本、外国の影響力など)によって意図されて変質させられたものと、そうでない自然に存在していたものを腑分けしてはっきりと認識してみたいということだ。もちろん「自然に存在していたもの」のありようが問題だが、それは考えるうちに分かってくるのではないかと思っている。
それと現在の私(たち)が感じている沖縄らしさ(あるいは沖縄の魅力、沖縄イメージ)とはどういう関係にあるのか?
たとえば斎場御獄(せーふぁうたき)は現在は世界遺産であり、沖縄を代表する観光地のひとつだ。琉球王府時代には国家の最高位の聖地だったが、それ以前には地域のローカルな聖地だったという。さらにその前は?この例でいえば、琉球王府が地域の聖地に政治的な力を加え、国家経営の一環としての、国王の正統性と権力を保証する聖域に仕立て上げたし、世界遺産指定はこの史跡の観光資源としてのブランド化をいやおうなしに推し進めることになる。
斎場御獄の観光資源としてのタイトルは「琉球王朝時代の最高の聖地」だが、それはこの聖地のひとつの「作り上げられた顔」にすぎず、実際には長い時間をかけた変容の歴史があって、そのほうが興味深くまた本質的だ。
いずれにせよ、現在の沖縄を構成する雑多な要素のひとつひとつの由来を丁寧に知ってゆくことで、作り物の沖縄とそうでない沖縄を知ることができるのではないか。ただし「作り物」を否定するべきだというのではなく、それがどのような経過でどのような意図で作られたのかを知ったうえで、個々に判断していけばいいのだと思う。
それにしても沖縄はシャーマン的世界にずいぶんと近い場所のようだ。
[PR]
by hatano_naoki | 2006-09-07 21:40 | 沖縄勉強ノート