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探偵と老人
マクドナルドの隅の席に向かい合った男ふたり。
声が異様に大きい三十代くらいの方は探偵で、もう一方の老人は投資詐欺にあって金をとられた被害者だと、聞こえてくる話の内容からすぐにわかった。
こういう事件はマスコミ経由ではよく聞いているが被害者の実物を見るのははじめてだ。ははん、こういう人物が、いくらだか知らないが、欲の皮が突っ張ったために少なからぬ額を失いかけているのだなと思いながらその人物の服装とか風体とかをうかがっている。たいして金持ちにはみえないがこういう人物が実は金を持っているのだ。勉強になった。
話の内容からすると犯罪は完成していて、おそらく金は戻ってこないだろう。しかし探偵は金を取り返せると力説している。ほんとうだろうか。わたしには無理に思えるが、探偵はこういう事件のプロだといっているので彼の判断が正しいのかもしれない。
探偵は彼の会社に依頼するようくりかえし促すが老人の態度はいまひとつはっきりしない。自分が被害者であることがわかっているのにそれを直視したくない、認めたくないというふうにもみえる。欲が生んだ失敗を人間は認めたくないものなのだ。また勉強になった。
こういうやりとりが際限なく繰り返されるうち、やがて彼らがふたりそろってわたしの脳髄にぐいぐいと入り込んできて居座ってしまった。迷惑なはなしだが聞き耳を立てていたわたしが悪い。
だがちょっと見たかぎりでも大声での会話はわたしだけでなくまわりの客たちに影響を与えはじめているようだ。彼らもまた脳内に住みついてしまったこの事件の細部に興味を持ちながらも辟易しているのがかんじられる。会話は彼らの周囲の客を飲み込んであたりの空間までを支配してしまった。
わたしはといえば大きな異物が頭のなかにできたようでじゃまでしかたがない。彼らが私の頭のなかで議論しているので自分の思考に集中できない。
結局老人は探偵に依頼をしなかった。探偵に対する猜疑心が勝利したらしい。その猜疑心をもう少し前に別の状況で生かしていたら大枚を失うことはなかっただろうに。
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by hatano_naoki | 2011-07-26 18:43 | 日日
線量計つき携帯を持つ明日
簡易線量計つきの携帯は売れるかもしれない。線量計がカメラのように携帯に必須の機能になる明日はきてほしくないが。
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by hatano_naoki | 2011-07-26 17:09 | 日日
イムジャ氷河湖のこと
d0059961_20414760.jpgきょう放送の『世界遺産』をみていたらエベレスト街道が写っていた。エベレスト街道とはルクラからエベレストのベースキャンプにいたるトレッキングルートのニックネーム。テレビ画面を見ながらあそこを歩いたのは35年も前だったな、と思う。
番組ではイムジャ氷河湖が紹介されていた。
エベレスト南面から流れ下っている大きな氷河はクンブ氷河と呼ばれているが、ローツェの南側を下ってクンブ氷河に合流しているのがイムジャ氷河である。そのイムジャ氷河のモレーンの末端ちかくに大きな氷河湖があって年々大きくなっており、モレーンの末端が決壊すると下流の村々に大きな被害をもたらすおそれがあるというような内容だった。
わたしはこのイムジャ氷河をさかのぼり、ローツェから南に伸びている枝尾根上の小ピークであるアイランドピーク(6168m)までいった。ルートをまちがえたのと装備が貧弱だったのでたぶん6000mあたりまでしか行けなかった。このとき現在のイムジャ氷河湖付近にあるパレシャヤギャブと呼ばれるところでキャンプしたのだが、そのように大きな氷河湖を見た記憶はない。この氷河湖は1960年代に生まれ、それからすこしづつ大きくなって現在の姿になったという。ということはわたしが行った頃はたぶんとてもちいさな湖だったのだ。
氷河湖が大きくなったのは気温の上昇のためだ。わたしはこの氷河湖によって地球温暖化と過ぎた年月のながさを実感することになった。
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by hatano_naoki | 2011-07-24 19:54 | 日日
どんなキーワードで来るのか(ブログの解析)
わたしののブログ(http://stowaway.exblog.jp)にくるひとがGoogleなどの検索の結果からやってくる場合、どんな語句で調べていたのかを見なおしてみた。
全体的な傾向としては検索キーワードのトップは「神は細部に宿る」で、ここ何年も変わっていない。これは「神は細部に宿る」について書いたこの記事に由来している。
2番目は、最近は「チェルノブイリ」。おもしろいのはこの傾向は3月11日にはじまったのではなくて、去年(2010年)の8月頃にあらわれてその後のつづいていたことだ。なにかの予兆だったのだろうか。
あとはいろいろで、ガジェットとか沖縄とかにかかわるキーワードが並んでいる。
それにしても「神は細部に宿る」にまつわるアクセスは根強い。現在では格言になった謎の語句に関する関心が存在することをうかがわせる。
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by hatano_naoki | 2011-07-24 06:01 | 日日
桂銀淑(ケイ・ウンスク)のこと
桂銀淑(ケイ・ウンスク)という韓国からきた演歌歌手がいた。テレビで見かけることも多かったのがいつの頃からか姿を見なくなった。
あるときYouTubeをふらふらしていると彼女の映像に行きあたったのでなりゆきでいくつか見て(聴いて)いるうちに、みるみる引き込まれていった。
特によかったのは『つぐない』だった。桂銀淑のカバーする『つぐない』はちょっと温度が低くてちょっと乾いた情感に満たされているようで、わたしはいいカバーだと思った。
そしてなによりも声だった。いわゆるハスキーボイスだが、その声そのもので自分の感覚のどこかに直接触れられるような戦慄があった。聴覚だけでなく、もっとさまざまな感覚器官が震え、それらが雪崩れうって脳髄に駆けあがっていく。
そしてまた彼女の醸し出す雰囲気だった。静かであり、演歌にありがちなオーバーアクションではない。わたしが見た映像はおそらく40歳かそれくらいのときだろうか、若さが生み出す魅力はいくらか翳っていたが、そのかわりにそれなりの歳月を超えてきた静謐があった。
それでスイッチが入ったように彼女が日本にきて最初に歌った『大阪暮色』(1985年)からつぎつぎに聴いていった。
日本にきたばかりの若い頃は声そのものに本質的なちがいはなくてそこに魅力があるが、それほどの深みはなく、美しくてコケティッシュだが凡庸ともいえる。しかし年齢を重ねるにつれて時間の深みとでも呼ぶべきものが彼女の空間を支配するようになっていく。
典型的な演歌を歌っていてもそこからかんじられるのは負のエネルギーの横溢する怨念や諦念とかいうのではない。当時の日本のニーズが彼女を演歌歌手にしたのだろうが、ブルースを歌ってもよかっただろうと思わせる。
彼女が消えたのは数年前に覚醒剤所持で逮捕され、国外退去処分になったからだということを改めてたしかめた。歌手としての時間のほとんどを日本ですごしてきた彼女が日本への入国を許されないというのは歌手として死んだも同然だし、なんて馬鹿なことをしたんだと思うけれど、それも人生の変転のひとつの局面であるわけで、他人には負うこともできはしない。人生にはいろんな思いがけないことがある。
もう50歳になるはずの彼女は老いた母親とソウルで暮らしていて、いくらか歌手活動をはじめているらしい。何ヶ月か前に、彼女の執行猶予が終わる瞬間がみじかいトピックとしてテレビ番組に差し込まれていてそれを見たが特に感慨もなかった。見たいのは歌う彼女であり、その心地良い声が聴きたいだけなのだ。
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by hatano_naoki | 2011-07-22 06:33 | 歌が私を・・・
原発ライブ
[RICOH GR Digital]

福島第一原発のライブカメラ映像が公開されている。けさのぞいてみると台風が去ったあとの重苦しい曇天だった。夏草がだいぶ伸びてきている。

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by hatano_naoki | 2011-07-21 07:40 | 写真日記
タヌキ
d0059961_518327.jpgここ数日、タヌキが現れるようになった。こどもが3匹で、親はまだ見かけない。東京の区部でもタヌキは増えているということだろうか。
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by hatano_naoki | 2011-07-18 05:18 | 日日
「だったり」症候群
ことばは時代時代に変化していくものだということはわかっているし、時代のはやりが気に入らないのは老齢化のあかしだというのもよくわかる。
しかしどうにも気に入らないのがいくつかある。

「になります」は論外として、「だったり」とか「であったり」が気になる。
これらは最近は非常によく使われる表現になったけれども、なぜ気になるかをかんがえてみて、そのあいまいさ加減が許せないということだと気がついた。使うひとは意図的に使うわけではなくとも、こういう朦朧とした表現によってなんとなくまろやかな言辞になるということだろう。使われ方をみていると、「であったり」というのはいくつかの例示の冒頭に置かれる表現であるはずなのに、そのあとにつづく複数の例示が省略されることも多い。むしろつづくことは稀だという気がする。
これはどういうことだろうか。たぶん、さきに書いたように意味はあまりないのだ。「になります」に特徴的にあらわれているように、いくらかながく言うことによって場の緊張が和らげられる。「カレーです」より「カレーになります」のほうが間がもつわけだ。「だったり」「であったり」にもこういう「長く言う効果」があるような気もするのだが。
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by hatano_naoki | 2011-07-11 18:58 | 日日
烈日(2)
[RICOH GR Digital]
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by hatano_naoki | 2011-07-11 18:19 | 写真日記
烈日(1)
[RICOH GR Digital]
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by hatano_naoki | 2011-07-11 18:17 | 写真日記