首里城の中にある御嶽のひとつである首里森御嶽(すいむいうたき)は、近くにある園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん) とならんで私が好きな沖縄の建築物(というよりも空間そのもの)のひとつである。1997年に復原されたものだ。 最初に目にしたとき、独特の存在感を感じたことを覚えている。それは下之御庭の広い空間にぽつんとあるというその位置とか、その小ささとか、琉球石灰岩の石垣の質感とか、いくらかの木々(ガジュマルとクロツグ)をまるで盆栽の森(これはたしかに森である)のように取り込んだ姿とかから来るものだった。 森までもパッケージした聖域の小世界がそこにあるというメッセージがその外形から発せられている。 この御嶽は、琉球神話によれば神によって作られたといい、その起源は首里城の造営時期よりも古いらしい。 首里森(すいむい)とは首里城の別称。城内でもっとも格式の高い拝所のひとつであり、国王が城外に出るときはここで祈ったという。 それにしてもなんというすばらしい概念とかたちと色。 [クロツグ] ヤシ科。熱帯アジア原産。
by hatano_naoki
| 2006-05-13 07:43
| 沖縄勉強ノート
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