Landmine Monitor Report 2006
d0059961_712788.jpgJCBL(地雷廃絶日本キャンペーン)による"Landmine Monitor Rreport 2006"の発表会があった。
1,000ページ以上もある英文の分厚い報告書は民間団体であるICBL(International Campaign to Ban Landmines)が自力で情報収集した世界の地雷の現況を毎年レポートしているもので、CD-ROM版も存在する。
これだけの資料を読むのは骨が折れるが、発表会では内容について主な注目点を解説してくれたので助かった。
ここではJCBLの了解を得て、その席で配布された資料の一部を紹介する。
なお、各項目の冒頭にある○と×は、○がプラス評価、×がマイナス評価を表す。



「ランドマイン・モニター報告2006」~2006年の主な注目点

○対人地雷の使用を拒否する動きの国際的な広まり
 2006年7月1日現在、オタワ条約締約国は151カ国。
○対人地雷廃絶の目標に向けた支援の広がり
○非国家武装主体による対人地雷禁止への関与
 ポリサリオ戦線(西サハラ)、クルド労働者党が「対人地雷の全面禁止および地雷除去・地雷回避教育等に関する合意文書」に署名。
×普遍化への取り組み
 40ヵ国がオタワ条約に参加していない。
○締約国、署名国による地雷の使用はない
×3カ国が地雷を使用
 少なくともビルマ/ミャンマー、ネパール、ロシアの3カ国が地雷を使用した。特にビルマ/ミャンマーでは大規模に使われている。
×非国家武装主体による地雷の使用
 非国家武装主体による地雷の使用は減少傾向にある。
×地雷生産国は13カ国
 ビルマ/ミャンマー、中国、キューバ、インド、イラン、北朝鮮、韓国、ネパール、パキスタン、ロシア、シンガポール、米国、ベトナムが地雷を生産している(この中の何カ国かは地雷を生産していないが生産する権利を留保している)。
○事実上の地雷輸出入の禁止
×エリトリア政府がソマリアの非国家武装主体に対人地雷を委譲
○数百万個の貯蔵地雷が破壊された
 この報告期間中に4つの締約国(ギニアビザウ、ナイジェリア、アルジェリア、コンゴ民主共和国)が貯蔵地雷の廃棄を完了した。これまでに貯蔵地雷の廃棄を完了したのは74ヶ国、締約国で廃棄すべき地雷を保有しているのは13カ国。締約国がこれまでに破壊した貯蔵地雷は累計3,950万個以上。
×非締約国が貯蔵している地雷
 1億6000万個を超える地雷が非締約国により貯蔵されている。その大部分を貯蔵しているのは中国(1億1000万個)、ロシア(2650万個)、アメリカ(1040万個)、パキスタン(600万個)、インド(400~500万個)の5カ国。
×多すぎる訓練用の保有地雷、少ない説明
○訓練・研究用保有地雷の数の減少
○最初の透明性報告書の提出率は高い
×2回目以降の透明性報告書の提出が遅い
○条文の「解釈」と「実施」の諸問題について、自らの見解を述べる締約国が増加
○地雷被害を受けている国の減少
 ICBLの見解ではなんらかのかたちで地雷被害を受けているのは78カ国。
○地雷除去の効率性の向上
 2005年に740平方キロメートル以上の面積の地雷除去がおわった。
×条約5条の地雷の除去期限を守れない見込みの締結国が多い
○地雷回避教育の拡大
 28カ国で新しく地雷回避教育が開始された。
×地雷およびERWによる死傷者の増加
 報告されている死傷者数は2005年には7,328人。
×ERWのみによる死傷者数の増加
×地雷被害を受けた生存者(survivor)と犠牲者(victim)の増加
 現在全世界で約35万~40万、または50万人の生存者が存在していると推定される。
○地雷被害を受けた生存者支援への注目が拡大
○意義ある2005年の地雷対策活動への支援額
 地雷対策活動への2005年の資金援助は3億7600万ドル。ドナーは1位が米国(8100万ドル)、次いで欧州委員会(5150万ドル)、日本(3930万ドル)、ノルウェー(3650万ドル)。
×対前年では減少
○地雷対策支援金の受け取り国
 主要国はアフガニスタン(6680万ドル)、スーダン(4840万ドル)、アンゴラ(3580万ドル)、イラク(2780万ドル)、カンボジア(2390万ドル)。
×地雷被害国に対する支援の減少
×資金不足の影響を受けた地雷対策計画
×地雷被害者支援に対する資金の不足
○地雷被害国による地雷対策活動費の拠出

非国家武装主体(NSAG):反政府武装グループ
ERW:爆発性戦争残存物。不発弾など
(注)調査対象期間は2005年5月から2006年5月まで。



これだけの報告書が民間団体の力で毎年出されるのはすごいことだ。また地雷廃絶という枠組み自体が民間の努力に多くを負っているということも注目すべき点だ。これはジェノサイド条約が成立するまでのプロセスを想起させる。

写真:Landmine Monitor Rreport 2006表紙。(c)International Campaign to Ban Landmines
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by hatano_naoki | 2006-09-14 06:53 | カンボジア
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