最初にカンボジアに行った1999年にシェムリアップで買った貝葉写本がずっと行方不明だったのが、突然に出てきた。
写本は幅20センチ、奥行き5センチ、厚さ2センチほどで、表紙にあたる部分は木製、本文にあたる部分はpalm leafを薄く削ったものを紙代わりにして、鋭い鉄筆でひっかくようにして文字を書いてある。文字の部分には墨がしみこませてある。表紙・裏表紙と本文のすべてには穴があいていて、細い紐が通してある。英語ではPalm Leaf Manuscriptsというらしい。 カンボジアの古い時代の書物はこうして作られていたが、その性質上虫に食われたり腐ったりしやすかったためにすべて失われてしまった。私の手元にあるものがいったい何を記録したものなのか、いつの時代のものかはわからない。 山口大学のウェブサイトには、貝葉(貝多羅葉の略)は「古代インドで教典の書写に用いられ、タイでは今もなお主に仏教教典に用いられている。貝多羅葉は高さ15m、直径0.8~1mの木で、葉はちょうど扇子を大きくしたような形で、全体が蛇腹のように折った形になっている。木の葉の先端と茎の部分を切り、両側からあて木をしてはみ出した部分を化粧断ちし、一定の長さに揃える。これを炉の中で24~48時間ほど乾燥させる。これにとがった筆記具で文字を刻み込み、煤と油性の液体を混ぜたものを塗り込む。」と書かれている。 カンボジアの場合も貝葉写本と呼ぶようで、貝葉とは棕櫚(しゅろ) 科の熱帯植物だということだから、palm leafと貝葉は同じものだと考えていいようだが、少し調べてみたい。
by hatano_naoki
| 2007-01-21 20:20
| カンボジア
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