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拠るべきもの
民主党の小沢代表が月刊誌「世界」(岩波書店)11月号に論文を掲載する。
asahi.comによると、その内容は、民主党が政権をとればインド洋で海上自衛隊が行う給油活動をやめ、アフガニスタンで活動する国際治安支援部隊(ISAF)に参加することを明言しており、「米国は自分自身の孤立主義と過度の自負心が常に、国連はじめ国際社会の調和を乱していることに気づいていない」「「世界の平和は国際社会みんなで力を合わせて守っていく以外に論理的にも現実的にも他に方法がない」と主張しているという。また論文の最後で、「貧困を克服し、生活を安定させることがテロとの戦いの最も有効な方法だ。銃剣をもって人を治めることはできない。それが歴史の教訓であり、戦争の果てにたどり着いた人類の知恵だ」とも述べているという。
小沢論文の内容にはさまざまな意見があるだろうが、この記事を読みながらこれまで幾度も考えたことがまた頭に浮かぶ。それは国際社会の中で私たちの国がどのような思想を持ちうるかということだ。
私たちの国には明確な思想、原理、行動規範がないと私は感じている。なにかあいまいでもやもやして、妥協的で場当たり的で、大勢順応的で、ずるずると事が運ぶ。この国ではことばはあまり有効ではないようだ。
もちろん、こういう考えには但し書きがつく。ことばの切れ味がよくなり、激しくなり、国民の熱狂を巻き起こすようなら、それはそれで気をつけなければならない。だから、当然のことだが、あくまでも提示された思想を吟味することが大切だ。それにしても思想不在の状況というのはフラストレーションがたまる。
ただ、おそらく、世界そのものが思想を見出しえていないという見方もできる。私たちはどのように生き、どのような考え方でよその国とつきあい、トラブルに対応し、大国のエゴイズムと折り合いをつけていくのか。いびつな大国である日本にとって問題は一層面倒であるように見える。
 
by hatano_naoki | 2007-10-07 18:24 | 日日
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