最近、気になることがある。
東京の混んでいる電車の中で、他人の体が硬いのだ。 混んでいるから体があたる。押し付けられる。流される。こういう状況では流れにまかせるのがいいと感覚的に学んできた。つまりドアがあいて乗客が乗り込んできたらその圧力に逆らわずに押されていけば無駄な力を使わないで済むし、車内全体がゲル状になって全体に圧力が分散されるはずだ。これが満員電車の力学であり定員を超える乗車が生み出す自然な解決方法だ。そう思ってきた。 ところが最近はなんだか違う。新しい乗客が乗り込んできても自分の立ち位置をかたくなに守り、ひじや腕を張って他人を排除しようとする人物がいるのだ。ときにはつり革やその上のバーに腕を突いて自分に迫ってくる圧力を排除しようとしている。力をこめたその腕がブルブルと震えている。こういう硬い物体が車内のゲル化を妨げる。単純にいえばそういう人物にあたると痛い。そのひとはなぜそこまでがんばるのだろうか。電車の中の立ち位置がそれほどまでに大事なのだろうか。 これはわたしの憶測にすぎないが、そういう状況からとても不機嫌で不愉快な空気、明確な敵意、それらに起因する他者の排除の意思を感じてしまう。そのすぐとなりに発作的な暴力行為や殺人いるような気がする。 電車の中の雰囲気がいつのころからか変化しているように思えてならない。それはすなわち社会の状況の一部でありその反映である。わたしたちが明るい未来というものを見失ったのはいつだったのだろうか?
by hatano_naoki
| 2008-06-10 22:07
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