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パソコン通信本その後(6)
すこしずつ書いている。
自分の記憶をベースに書くのだから基本的に書きにくくはない。いままでやったことがなく、ちょっとおもしろく感じられるのは昔書いた文章を切り取って持ってきた引用部分と、現時点で書いているいわゆる地の文(という表現は正確ではないけれども感覚的に地の文という感じがする)との交錯だ。行ったりきたりする。この行ったりきたりは時間軸上の行ったりきたりであり、ふたりの自分のあいだの行ったりきたりでもある。できるだけ簡潔素朴を心がけ、思い入れで情報量を殺がないようにしようと思っている。
とことん個人的体験にこだわることからはじめたいのだが、それで終わってしまったら書かないほうがいい。同時代を体験していないひとがおもしろく読める内容とはなんだろうかとも考える。なんであれ、黎明期の話は真摯でこっけいでそれなりにおもしろく読めるものだが、一方でただの自慢話であったり、うちわの人間にか理解できない内容だったりすることも少なくない。
もはやパソコン通信ということばは誰も知らず、あるいは忘れており、パソコン通信を書いた本といっても関心を持たれることはないだろう。パソコン通信から現在にいたる自分とネットとのかかわりの記憶を軸に、ネットそのものを自分なりに考える(正確にいえば「考える」ではなく「感じる」かもしれない)という方向にシフトしている。書名からパソコン通信ということばが消えるかもしれない。
by hatano_naoki | 2008-09-15 08:04 | ネットとデジモノ
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